3月11日の大地震発生からもう30営業日以上が経過していますが、下記のチャートのよう地震発生後の翌週に最大の急落相場となった後は急激にリバウンドしています。
しかし1万円の大台回復には至っておらず、原発問題がやはり尾を引いているのかBOX相場が続いております。
むしろさらなる余震や災害を警戒すればもっと下がってもおかしくないはずの状況で、9,000円台を維持していることは逆に驚きでもあります。
日経平均が急落するとむしろ利益を出している投資家も多いでしょう。
これだけネットトレーディングが普及している現在、自由に売り仕掛けもできる日経225やFXなどのデリバティブでしっかりリスクヘッジを行う個人投資家も増えてきました。デリバティブの世界では急落する時こそ利益を上がるパターンが多いのです。
むしろ相場が激しく上下するということは、それだけ収益機会が増大するということです。
日経225先物もボタティリティが急回復し、今回の震災で空前の出来高を記録。一時は先物で20万枚を超える日もありました。
リーマンショック時に続き、サーキットブレーカーも発動する非常事態もありましたが、リーマンショック時に大多数の投資家が経験済みであり、至って平穏そのものでした。この原発危機の中にあっても日経平均先物がストップ安になることはありませんでした。
仮にあったとしても、一時的ですぐに取引が再開されるでしょうし、個別銘柄のように連日ストップ安で売るに売れないなんて事態はありません。
それだけ指数先物の流動性の高さを改めて再確認した機会ともいえます。
しかし一方で東電のような個別銘柄であれば、今回のような「想定外」の震災が発生してしまうと、どんなに優良株でも途端に倒産リスクの憂き目にあってしまうものです。
まるで新興株のように、この銘柄がストップ安で張り付くなど本来は考えられないことです。
東電株は震災後、4日連日で寄り付かずストップ安をつけた後、復旧作業に一喜一憂しながらストップ高になったり売られたりを繰り返し、再び下落しています。
まさに仕手株のような動きで完全にマネーゲームの対象となっています。
まるで一時期の新興株のように軽々と上へ下へと張り付いています。
値幅も十分ありますしデイトレには向くかもしれませんが、持ち越しをしないことを前提にしても突発的な事故で場中にストップ安となり、張り付いてしまうこともありえますから、手出しは無用です。
これをただ安いからと資産株として持つなど、お金をどぶに捨てるようなものです。
投資するなら本当に捨ててもよいと思えるくらいでないと手を出すべきではありません。
賢明な投資家ならもっと他に有利な投資戦略があるからです。
結局個別銘柄にはどんなに大企業だろうと安全神話はないということですね。
東電の損害賠償額は未だ算出不能なほど甚大なものでとても一企業の財力で賄えるレベルではありません。
もし100%減資で国有化となれば、当然株主責任ということで紙切れとなる可能性だってあります。
その後の動向はまさに神のみぞ知るの世界です。
その点日経平均を売買するのであれば、少なくとも個別銘柄を売買するよりはリスクコントロールが容易です。
「100年に一度の金融危機」、「1000年に一度の大災害」などと言われていますが、投資の世界で「想定外」は言い訳になりません。
どんな相場でも退場しないリスク管理と常に時代にマッチした投資戦略の確立が肝要です。
今回の震災についても様々なお立場の方から数多くのお便りを頂いております。
被災地の方におかれましては、公共広告で再三聞く言葉でもありますし、すでに精一杯頑張っていらっしゃる方に「頑張ろう」なんておこがましくて言えませんが、どうか「負けないで下さい」。
ユーザー様の中でも被災地へ医師として派遣された方やその他医療チームに参加された方もいらっしゃり、また企業経営者の方はこぞって義援金を拠出されているようですね。本当に頼もしい限りです。私も思いを新たにしました。
中には既に海外に脱出された方(外資系企業の方はご事情やお気持ちよくわかります)、それもこれも個人の自由です。
しかし、人それぞれの立場で異なった支援の方法はあります。
このような人を思う気持ち、この日本人の気質があればきっとこの日本は大丈夫でしょう。
増税などせずとも国債を発行するのも結構。
日本は戦争で一度廃墟になっています。
戦時国債の例を見てもこれだけの大災害であれば許されるはずです。
菅総理が真摯に国民に説明すれば、この国難であればの日本を応援する気持ちと寄付感覚で買う人は多いはずですぐに集まるでしょうし、世界に日本の底力を見せつけることもできるでしょう。
私も真っ先に前回募集に応募し早速購入。ささやかに500万円ほどですが。
重要なのは一人一人の小さな善意だと思います。
景気回復に何よりも必要なのは需要。
ただでさえこの震災で需要が不足しているとき、増税案が浮上していることには驚きです。
消費が必要なときに消費税を増税?
復興のための投資が必要なのに法人税減税を見送り?
耳を疑うことばかりです。
数百年に一度のショックを短期の増税でまかなおうとするこの日本の経済政策はどこに向かってしまうのでしょうか。
とかく減税を主張すればどこに財源があるのかと税を払う立場の一般市民でさえ減税に後ろ向きになり、逆に増税を容認する風潮すらあるのが意外です。
我慢強い日本人の気質や美徳といえる面かもしれませんが、不況期に増税することがどれほどリスクが高いかは歴史が証明しています。
政府には安易な増税を容認する風潮に乗ることなく、どうか幅広く国内外の専門家の意見を求め日本経済にとって最善の策をとってもらいたいものです。
そしてそれを断固たる決意を持って遂行するには、何より強いリーダーが不可欠なのですが、如何せん今の民主党にはそれを望むのはもう無理のようですね。
この非常時に問題が山積する中、この期に及んでまた与野党で政争、足の引っ張り合いを始めています。
これ以上の愚策を続け、歴史上最悪の選択をした政権として後世の教科書に載る事のないよう、切に祈っています。
先日ある外資系ディーラーと話す機会がありましたが、3.11大地震後の数日間の急落相場では同社内で過去最高の成績が続出だったようです。しかし逆に今月は値動きが乏しく特にイースター前などは手控えムード一色のようでしたが。
メリハリはやはり重要です。動かない時は焦らず様子見が一番です。
ルール通りに動きを見極め、深追いをせず冷静にチャンスを待ちましょう。
自粛はほどほどに、ゴールデンウィークの計画でも立てましょう。
景気回復のためにもしっかり消費をすることもまた支援につながると思います。
よいGWをお過ごし下さい。