歴史的大暴落~目先反発 日経225に連日のサーキットブレーカー発動

ブラックマンデー以来の大暴落から一転昨日のニューヨーク市場は1993年来過去最大の11.08%の上昇率を記録
史上最大級の暴落から数日後、史上最大の暴騰。
歴史を見ればわかりきっていることを人間は繰り返してしまうもの。
安易なテクニカルや相場観は通用しません。
よくある超大幅な暴落時に見られる追証売りに加え、機関投資家などのやむにやまれぬ売りオーダーが一斉に集まり市場はオーバーシュート。
理屈ではない売りが売りを呼び世界の金融市場で軒並み年初来安値を記録。
本日はその反動で大幅高と金融市場未曾有の急激な値動きが続いております。

この激動の1週間もリスクマネジメントさえしっかり行っていれば全く問題なく、今回の暴落暴騰劇は日経225トレーダーにとって非常に大きなチャンスだったともいえましょう。
もっとも前代未聞・未曾有の暴落だっただけに、ただ何もせずみているだけだった方も多いとのことで結果それが最大の利益につながることも否定できません。
余裕資金の方は冷静沈着に段階的に安値を拾ったり、アービトラージでリスクを限定し裁定を狙うなどいくらでも好機があったことでしょう。
特にNTスプレッドなどは片張りポジションで持ち越しするスペキュレーションに比べてかなりのリスクヘッジができたはずです。
史上最大規模のギャップも恐ろしくありません。

先週金曜日と本日2営業日続けて先物市場は歴史的超大幅ギャップ
注文が殺到し連日にわたり日経225、トピックスともにサーキットブレーカーが発動
個別銘柄ではなく日経225先物など指数先物で発動されたことに事態の深刻さがうかがえます。

サーキットブレーカー2008年10月10日と10月14日の値動き

2営業日連続のサーキットブレーカー発動。
10/10 未曾有の1000円ギャップダウン
寄り付き直後09:08にサーキットブレーカーが発動し先物取引停止。15分後の09:23、8070円で取引再開。
10/14 本日は1310円のギャップアップ
寄り付き09:10と同時にサーキットブレーカーが発動。15分後の09:25、9,290円で取引再開。

2営業日連続のサーキットブレーカー発動

週末開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議において合意された公的資金注入の実施段階で遂に動意づいたことになります。先日の主要中銀による強調利下げが材料視されなかっただけにほっと胸をなでおろした市場関係者も多かったものと思われます。
銀行間取引の政府保証、主要銀行への公的資金注入など世界が国家規模で協調して一連の金融不安の沈静化を図ったことでようやくマーケットが反応。
鍵はやはり公的資金。

公的資金という血税を民間企業に入れることは反感が根強いものがあります。
諸手を挙げて喜ぶべきではないでしょうが、日本のバブル処理の経験を生かし早期に事態を収束させるよう各国政府に期待してやみません。ただ実際は日本が十数年かけてきたものだけに見通しは決して明るいものとはいえません。
日本がこの失われた10年の間、段階的に小出しにしてきた膿を今回は米国中心にドラスティックに切り捨てているだけに、市場に与える傷は大きいかもしれませんが、早期に膿を出し切ることでより早い回復を期待したいところです。

今週は欧米各国の金融機関の決算が続きます。
当面の打開策を見出し市場もこれに応えた格好ですが、これが文字通り目先になるのか、底打ちになるかは誰にもわかりません。

“GET USED TO IT.”

先日のWSJの見出しにありましたが、この一連の値動き、慣れろといわれても慣れるレベルを超えたほどかつてないほどのものでした。しかし、リスクマネジメントと持ち越ししない短期トレーディング、アービトラージでの大局的なディーリングを旨とすれば決して世間で言われるほどに恐ろしい事態ではないと思われます。

世界恐慌。
歴史の教科書の世界だった状況が現実のものとなろうとしていた矢先だけに冷静沈着な行動が依然求められるでしょう。米国の政策にまだ不透明要素があるだけに一抹の懸念を隠しきれません。