S&Pが1ノッチ米国債格下げ 活況の様相を呈する日経ナイトセッション

S&Pの米国債格下げ以降、相場が大きく動いています。
リーマンショック以来のまさしく大チャンス到来といったところでしょうか。
まだ1ノッチだけなのにもかかわらず米国市場は8月8日に634ドルの下落、昨日8月9日には429ドル戻すなど大きな動きを見せています。
先日のFOMCの結果も“stand on your own”との言葉が物語るように長期的な低金利政策確約しつつもQE3には否定的な見解でサプライズの効果はありませんでした。
しかし、これらの思惑が交錯する中で、日経平均は大盛況。
大暴落と急騰を繰り返し数年前の高いボラティリティを取り戻しつつあります。

米国債が格下げされても根本的な財政問題を何ら解決しておりませんので、さらにマーケットは金融緩和を催促することになるでしょうし、それに失望すればさらに下落しそうです。
さらに米国債の格下げのみならず、仏国の格下げ不安も俄かに浮上してきており、南欧のデフォルト懸念も依然として払拭できていません。世界中で金融危機の火種が燻っている状態です。

日本の政治は相変わらず迷走。
菅総理の辞任が取り沙汰されていますが、民主党は解散もせず残り2年も消化試合を行うつもりのようですし、事態が良くなるとはとても思えません。
円高で高まる産業の空洞化。
海外へ流出する企業や人材。
ますます混迷の度合いを深めています。

個人的にはいずれリーマンショック以上の大きな金融危機が到来しなければ誰も目が覚めないのではないかと思います。
おそらくリーマンショック以来の安値を経験をしないと目が覚めないのかもしれませんね。
米国債を格付けしているのは米国籍の一民間会社です。
サブプライムローンの時に散々トリプルエーを与えてきた債券が片っ端から紙くずになってもまだ懲りていないんでしょうね。これだけ動いたということは。

まさに歴史の教科書に載るような世界恐慌がいつか来ると感じていますが、それが今年なのかもっと先のことなのかはわかりません。
リーマンショックの時の騰落レシオが55%以下まで進みましたので、この辺りが一応のセリングクライマックスになるかどうかの目安ですね。

強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていきます。

賢明な投資家が増えてきたのか不思議と暴落した今でも悲観はされていません。
個別株ならいざしらず、デリバティブであればむしろこの高ボラティリティで大きな利益を出している方が多いと思います。
サブプライムローン、リーマンショック、東日本大震災をくぐりぬけてきた投資家であればなすべきことは承知しているはずで、きっと粛々と準備を進めていることと思います。
短期でリスクマネジメントが万全であれば、現状はまさしく好機到来といえるでしょう。

さて、先月から時間延長されて名称も変更されたナイトセッションがここにきて活況の様相を呈しています。
出来高はそれほどでもないのですが、注目すべきは米国株式先物との精度の高い連動性と流動性、高いボラティリティです。
さすがに米国時間の大部分をカバーしていることもあり利用価値が高まってきました。

日経225 ナイトセッションにおける有効な戦略
詳しくはユーザー専用ページをご確認ください。

戦略シート:特記事項

NYダウが512ドル安とリ-マンショック後の2008年12月以来の下げ幅で返って来ています。
日経平均のGDは気配の段階ではかなり縮小されていました。

ユーザー専用ページにおける特記事項もあわせてご確認ください。

また、戦略シートを更新しました。
最新版をご希望の方はユーザー専用ページよりダウンロードしてください。
特に最近は最新版独自のロジックを適用するケースが多いですが、備考欄に判別基準をわかりやすくまとめています。

日銀が追加緩和を決定&政府は単独為替介入

金融政策決定会合で日銀が追加緩和を決定したようですね。
また日本政府が単独で為替介入を実施した模様。
NAVIで書いた9:30の海江田大臣の会見(経産次官人事)も同じタイミング。
材料豊富で珍しく見事な連携ですが、介入効果は限定的でしょう。
追加緩和に期待。

“Quantitative easing”の言葉に敏感に反応 過剰流動性が再び相場を引き戻すのか

連邦債務上限引き上げ問題が決着後も日本市場の場中のみわずかに反応しただけで、ダウは下落を続け8日続落となっていました。
実に8日続落は、金融危機直後の2008年10月以来2年10ヶ月ぶりのことで、8日間における下落幅は857ドル(6.7%)。昔なら大した値幅ではないですが、今のボタティリティを考えれば十分に衝撃的です。
リセッションへの懸念や米国債格下げを先取りした動きだったのかもしれませんが、この程度で格下げ懸念を織り込むには微妙なところです。
実質的には米国経済はすでに破綻しているといえ、景況感だけでは買えない状況。
もはや過剰流動性に望みをつなぐしかない中、ついにお待ちかねの量的緩和第三弾発動?
QE3の話は6月前に立ち消えになったはずですが、再浮上。
昨晩大幅下落していたダウが一気にプラスになって返って来ています。
欧米の報道では”Quantitative easing”の言葉にはやはり敏感な反応が見て取れます。

一方で日経平均は底堅く、何があっても反応に乏しい状態が続いています。
日銀のETF買い入れ枠がまだ十分にあり、買い入れ期待やらで相当下支えされているようであり、なかなか下落しません。
日銀は禁じ手をかたくなに封印する中、FRBのやりたい放題を見ているだけなのは歯がゆい限りです。

もし米国債が格下げされたら市場にどれだけの影響があるか

件の米国債デフォルト危機は水際で食い止められ一応の決着。
ようやく債務上限引き上げ法案が下院で可決されました。
上院は日本時間で明日3日の午前1時に採決され無事可決される見通しです。
当面の期限であった8月2日を事前の合意で乗り切り、無事デフォルト危機は回避されたかに見えます。
まさに土壇場での決着でまるでチキンレースを見ているようでした。

次に待っているのは「米国債の格下げ」問題です。

もし米国債が格下げされたら市場にどれだけの影響があるのでしょうか。

これが日本国債の格下げなら影響は限られています。
これまですでに日本国債は格下げされていますが、債券市場も株式市場も影響は限定的でした。
しかし米国債となれば話は別です。

日本国債のように9割以上を日本人が保有しているのと異なり、米国債は半分以上を米国以外の国が保有しています。
長年トップの格付けAAA(トリプルエー)を保持してきた米国債が仮にも格下げになったとあれば、その影響は計り知れません。

先日かの著名な投資家ジョージソロス氏がロイターのインタビューで米国債が格下げされた場合の金融市場への影響について消極的な見方を示していたり、一部のニュースでは日本の国債を引き合いに出して楽観視する見方すら出てきています。
しかし本当にそうでしょうか。

量的緩和第2弾(QE2)により米国は市場から巨額の米国債を買い入れ、ジャブジャブに資金を放出してきました。
つまり自分でドルを増刷してそのお金で国債を買い、市場を買い支え、遂には自国の最大の債権者になっているのです。
この空前の円高も当然の結果であり、FRBのやりたい放題のおかげでドルの価値を低下させ、信用を落としてまでも輸出力を高めようとしています。
このような無節操ぶりにもかかわらず、未だに米国債は格下げされていません。

これまで実際にS&Pやムーディーズがすでに見通しをネガティブに変えたと発表して警鐘を鳴らしてきたのは事実です。
それでも世界的な影響を考慮して実際の格下げには至らないままでした。

それが今回の債務上限問題によるデフォルト危機で俄かに現実味を帯びてきています。

さすがにこの連日のデフォルト危機で市場は悲観論を織り込み済みな面もあり、1ノッチ程度の引き下げ(AA+)ではパニックにはならないと思いますが、2ノッチ以上(AA)の引き下げがあれば大波乱が予想されます。

日本国債の格下げもまだ記憶に新しいですが、予想はされてはいたものの実際の引き下げのタイミングには疑問がありました。
この時の日経平均への影響は一過性のものでしたが、この手の発表は不意打ちが多いですので要注意ですね。
米国債の格下げによる金融市場への影響度は未知数ですので、いざ発表があった時、タイミングによっては債券市場でサーキットブレーカーが発動したり、連続ストップ安になることも予想されます。
しかし日経先物では逆にチャンスと言えそうですね。

揺れる米国債務上限問題 もし米国債がデフォルト(債務不履行)に陥ると日本にはどんな影響があるのか

今日の日本時間10時にオバマ大統領が会見予定なので注目です。
昨日の朝には下院議長との会談で一応の決着が見られそうだったのに未だに決着していないこの米債務上限問題。
さすがに民主、共和両党も米国債をデフォルト(債務不履行)にするわけにはいけませんので最終的には決まるはずですが、予断を許さない状況に変わりはありません。

もし米国債がデフォルトに陥ると日本にはどんな影響があるのでしょうか。

米国には債務上限(現在で14兆3000億ドル)があるので、国債を発行し続けてその上限に達してしまうとそれ以上国債が発行できなくなります。すると資金繰りがつまりデフォルトになってしまうという問題です。
迫り来る当面のリミットは8月2日。
それまでに連邦債務上限を現状から引き上げなければ、国債の利払いや元本の支払いができなくなり、さらには年金も払えなくなり、最悪政府機関も機能しない麻痺状態になってしまう可能性だってあります。

一見これはギリシャと同じようですが、全然違います。
ギリシャはお金がないからデフォルトになるのです。
しかし米国は上限があるから発行できないだけの話ですので、この債務上限上げてしまえば簡単に済む話です。
しかし、それがなかなかできない。
なぜ上限上げてはいけないのかというと、財政赤字を無制限に膨らませてしまうからです。

今もめているのは、財政赤字をどう縮めるかということ。
そうはいってもデフォルトになっては元も子もありませんし、これまでも何度も上げてきているのでこんなに話題になることでは本来はないのですが、多分に政治的思惑が絡み合って今回は難航しているというわけです。
来年に大統領選挙を控える現政権側は一気に上限を引き上げてしばらくこの問題を忘れたい思惑があり、一方で共和党としては段階的に引き上げ、大統領選挙前に再び債務上限問題を噴出させて選挙を有利に進めたいと考えるでしょう。

当面のリミットまで決着するとは思いますが、もしこの状況が長引き、もめ続ければ、そもそもデフォルトの前にアメリカの国債が格下げされてしまう可能性だってあります。
米国債は世界で一番信用力がある国債です。
それが格下げされるということは、米国債の金利が上がってしまうということ。
利払いが増えれば欧州も日本もそれに引っ張られて金利が上がる可能性があります。
その結果、ただでさえとんでもない額に膨れ上がっている日本の借金が、金利が上がれば利払い負担はさらに加速度的に増えることになります。
米国がくしゃみをすれば日本は肺炎になると言われますが、それどころではない非常に怖いお話になってきます。

従って日本は金利が上がる前に何とか早く財政健全化に向けて動きはじめなければなりません。
昨日欧州でギリシャの格付けが下から2番目の水準まで引き下げられ「事実上のデフォルト」状態となりましたが、まだ先進国でデフォルトになるなんてことはないと考えている人も多いのが実情です。
報道全般を見ても対岸の火事のごとく日本とあまり関係ないように見られていますが、リーマンショックの時のように全然他人事ではない問題ははらんでいるということです。

肝心の日本ではようやく二次補正予算が成立したところです。
日経225先物の気配を見る限りは大きな動きにはなっていません。
この閉塞感を打破するためにもやはり日本の政治に風穴をあける何かがほしいところですね。
それが何かここでは書けませんが。

日経225のイブニングセッションはナイトセッションへ 大証のデリバティブの夜間取引時間を午前3時までに延長

2011年7月19日から大阪証券取引所の日経225先物・オプション取引のイブニングセッションにおける取引時間が23:30から翌03:00まで延長されます。
名称もナイトセッションに変更されます。

2007年9月18日のイブニングセッション導入。
2008年10月14日には導入時19:00までだった取引時間を20:00まで延長。
2010年7月20日にはさらに23:30まで延長。
2011年7月19日から翌03:00まで延長。

イブニングセッションの導入から4年近くが経ちますが、夜間の出来高は依然低調のままです。
NYの取引時間の大部分をカバーし、24時間取引に徐々に近づいています。取引機会が拡大する点ではよいことと言えますが、薄商いが改善するかは未知数です。

常に優位性ある戦略を

今日の日経平均は朝から反発。
当戦略における日経225先物の寄り付きシグナルは「買い」でしたが、まさに追加した朝戦略が実を結んだ結果といえます。
詳しくは最新版の朝の戦略に関する項目をご確認ください。
ユーザー専用ページにおいても随時補足しておりますので、あわせてご参照ください。
また、常に相場は変化しております。
内容には万全を期しておりますが、実際の運用に際しましてはマニュアル内容を正しくご理解頂く必要がございます。
誤った解釈による無駄な損失を防ぐためにも、そして当戦略の真価を発揮させるためにも、まだ最新版を取得されていない方は、お早めに最新版をお求めください。

MSCI標準指数の銘柄入れ替えに伴って約970億円の資金流出売り需要

フランクフルトは小反落。動いているCMEのナスダック100、S&Pは小幅高水準で推移しています。
バイアスもシート通り強い傾向を示していますが、一方で今日の引けで東京市場ではMSCI標準指数の銘柄入れ替えに伴って約970億円の売り需要が見込まれています。
MSCI指数における日本株の割合は8.81%から8.72%に低下します。
全体圧力は、約970億円規模の予定。
また、自民・公明が週内にも内閣不信任案提出した場合、小沢氏が同調する姿勢を示唆。
月末最終日の31日の需給要因がどちらに振れるか、十分に確認して無理をせず冷静にチャンスを待ちましょう。

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