日銀が追加緩和を決定&政府は単独為替介入

金融政策決定会合で日銀が追加緩和を決定したようですね。
また日本政府が単独で為替介入を実施した模様。
NAVIで書いた9:30の海江田大臣の会見(経産次官人事)も同じタイミング。
材料豊富で珍しく見事な連携ですが、介入効果は限定的でしょう。
追加緩和に期待。

“Quantitative easing”の言葉に敏感に反応 過剰流動性が再び相場を引き戻すのか

連邦債務上限引き上げ問題が決着後も日本市場の場中のみわずかに反応しただけで、ダウは下落を続け8日続落となっていました。
実に8日続落は、金融危機直後の2008年10月以来2年10ヶ月ぶりのことで、8日間における下落幅は857ドル(6.7%)。昔なら大した値幅ではないですが、今のボタティリティを考えれば十分に衝撃的です。
リセッションへの懸念や米国債格下げを先取りした動きだったのかもしれませんが、この程度で格下げ懸念を織り込むには微妙なところです。
実質的には米国経済はすでに破綻しているといえ、景況感だけでは買えない状況。
もはや過剰流動性に望みをつなぐしかない中、ついにお待ちかねの量的緩和第三弾発動?
QE3の話は6月前に立ち消えになったはずですが、再浮上。
昨晩大幅下落していたダウが一気にプラスになって返って来ています。
欧米の報道では”Quantitative easing”の言葉にはやはり敏感な反応が見て取れます。

一方で日経平均は底堅く、何があっても反応に乏しい状態が続いています。
日銀のETF買い入れ枠がまだ十分にあり、買い入れ期待やらで相当下支えされているようであり、なかなか下落しません。
日銀は禁じ手をかたくなに封印する中、FRBのやりたい放題を見ているだけなのは歯がゆい限りです。

もし米国債が格下げされたら市場にどれだけの影響があるか

件の米国債デフォルト危機は水際で食い止められ一応の決着。
ようやく債務上限引き上げ法案が下院で可決されました。
上院は日本時間で明日3日の午前1時に採決され無事可決される見通しです。
当面の期限であった8月2日を事前の合意で乗り切り、無事デフォルト危機は回避されたかに見えます。
まさに土壇場での決着でまるでチキンレースを見ているようでした。

次に待っているのは「米国債の格下げ」問題です。

もし米国債が格下げされたら市場にどれだけの影響があるのでしょうか。

これが日本国債の格下げなら影響は限られています。
これまですでに日本国債は格下げされていますが、債券市場も株式市場も影響は限定的でした。
しかし米国債となれば話は別です。

日本国債のように9割以上を日本人が保有しているのと異なり、米国債は半分以上を米国以外の国が保有しています。
長年トップの格付けAAA(トリプルエー)を保持してきた米国債が仮にも格下げになったとあれば、その影響は計り知れません。

先日かの著名な投資家ジョージソロス氏がロイターのインタビューで米国債が格下げされた場合の金融市場への影響について消極的な見方を示していたり、一部のニュースでは日本の国債を引き合いに出して楽観視する見方すら出てきています。
しかし本当にそうでしょうか。

量的緩和第2弾(QE2)により米国は市場から巨額の米国債を買い入れ、ジャブジャブに資金を放出してきました。
つまり自分でドルを増刷してそのお金で国債を買い、市場を買い支え、遂には自国の最大の債権者になっているのです。
この空前の円高も当然の結果であり、FRBのやりたい放題のおかげでドルの価値を低下させ、信用を落としてまでも輸出力を高めようとしています。
このような無節操ぶりにもかかわらず、未だに米国債は格下げされていません。

これまで実際にS&Pやムーディーズがすでに見通しをネガティブに変えたと発表して警鐘を鳴らしてきたのは事実です。
それでも世界的な影響を考慮して実際の格下げには至らないままでした。

それが今回の債務上限問題によるデフォルト危機で俄かに現実味を帯びてきています。

さすがにこの連日のデフォルト危機で市場は悲観論を織り込み済みな面もあり、1ノッチ程度の引き下げ(AA+)ではパニックにはならないと思いますが、2ノッチ以上(AA)の引き下げがあれば大波乱が予想されます。

日本国債の格下げもまだ記憶に新しいですが、予想はされてはいたものの実際の引き下げのタイミングには疑問がありました。
この時の日経平均への影響は一過性のものでしたが、この手の発表は不意打ちが多いですので要注意ですね。
米国債の格下げによる金融市場への影響度は未知数ですので、いざ発表があった時、タイミングによっては債券市場でサーキットブレーカーが発動したり、連続ストップ安になることも予想されます。
しかし日経先物では逆にチャンスと言えそうですね。

揺れる米国債務上限問題 もし米国債がデフォルト(債務不履行)に陥ると日本にはどんな影響があるのか

今日の日本時間10時にオバマ大統領が会見予定なので注目です。
昨日の朝には下院議長との会談で一応の決着が見られそうだったのに未だに決着していないこの米債務上限問題。
さすがに民主、共和両党も米国債をデフォルト(債務不履行)にするわけにはいけませんので最終的には決まるはずですが、予断を許さない状況に変わりはありません。

もし米国債がデフォルトに陥ると日本にはどんな影響があるのでしょうか。

米国には債務上限(現在で14兆3000億ドル)があるので、国債を発行し続けてその上限に達してしまうとそれ以上国債が発行できなくなります。すると資金繰りがつまりデフォルトになってしまうという問題です。
迫り来る当面のリミットは8月2日。
それまでに連邦債務上限を現状から引き上げなければ、国債の利払いや元本の支払いができなくなり、さらには年金も払えなくなり、最悪政府機関も機能しない麻痺状態になってしまう可能性だってあります。

一見これはギリシャと同じようですが、全然違います。
ギリシャはお金がないからデフォルトになるのです。
しかし米国は上限があるから発行できないだけの話ですので、この債務上限上げてしまえば簡単に済む話です。
しかし、それがなかなかできない。
なぜ上限上げてはいけないのかというと、財政赤字を無制限に膨らませてしまうからです。

今もめているのは、財政赤字をどう縮めるかということ。
そうはいってもデフォルトになっては元も子もありませんし、これまでも何度も上げてきているのでこんなに話題になることでは本来はないのですが、多分に政治的思惑が絡み合って今回は難航しているというわけです。
来年に大統領選挙を控える現政権側は一気に上限を引き上げてしばらくこの問題を忘れたい思惑があり、一方で共和党としては段階的に引き上げ、大統領選挙前に再び債務上限問題を噴出させて選挙を有利に進めたいと考えるでしょう。

当面のリミットまで決着するとは思いますが、もしこの状況が長引き、もめ続ければ、そもそもデフォルトの前にアメリカの国債が格下げされてしまう可能性だってあります。
米国債は世界で一番信用力がある国債です。
それが格下げされるということは、米国債の金利が上がってしまうということ。
利払いが増えれば欧州も日本もそれに引っ張られて金利が上がる可能性があります。
その結果、ただでさえとんでもない額に膨れ上がっている日本の借金が、金利が上がれば利払い負担はさらに加速度的に増えることになります。
米国がくしゃみをすれば日本は肺炎になると言われますが、それどころではない非常に怖いお話になってきます。

従って日本は金利が上がる前に何とか早く財政健全化に向けて動きはじめなければなりません。
昨日欧州でギリシャの格付けが下から2番目の水準まで引き下げられ「事実上のデフォルト」状態となりましたが、まだ先進国でデフォルトになるなんてことはないと考えている人も多いのが実情です。
報道全般を見ても対岸の火事のごとく日本とあまり関係ないように見られていますが、リーマンショックの時のように全然他人事ではない問題ははらんでいるということです。

肝心の日本ではようやく二次補正予算が成立したところです。
日経225先物の気配を見る限りは大きな動きにはなっていません。
この閉塞感を打破するためにもやはり日本の政治に風穴をあける何かがほしいところですね。
それが何かここでは書けませんが。

日経225のイブニングセッションはナイトセッションへ 大証のデリバティブの夜間取引時間を午前3時までに延長

2011年7月19日から大阪証券取引所の日経225先物・オプション取引のイブニングセッションにおける取引時間が23:30から翌03:00まで延長されます。
名称もナイトセッションに変更されます。

2007年9月18日のイブニングセッション導入。
2008年10月14日には導入時19:00までだった取引時間を20:00まで延長。
2010年7月20日にはさらに23:30まで延長。
2011年7月19日から翌03:00まで延長。

イブニングセッションの導入から4年近くが経ちますが、夜間の出来高は依然低調のままです。
NYの取引時間の大部分をカバーし、24時間取引に徐々に近づいています。取引機会が拡大する点ではよいことと言えますが、薄商いが改善するかは未知数です。

常に優位性ある戦略を

今日の日経平均は朝から反発。
当戦略における日経225先物の寄り付きシグナルは「買い」でしたが、まさに追加した朝戦略が実を結んだ結果といえます。
詳しくは最新版の朝の戦略に関する項目をご確認ください。
ユーザー専用ページにおいても随時補足しておりますので、あわせてご参照ください。
また、常に相場は変化しております。
内容には万全を期しておりますが、実際の運用に際しましてはマニュアル内容を正しくご理解頂く必要がございます。
誤った解釈による無駄な損失を防ぐためにも、そして当戦略の真価を発揮させるためにも、まだ最新版を取得されていない方は、お早めに最新版をお求めください。

MSCI標準指数の銘柄入れ替えに伴って約970億円の資金流出売り需要

フランクフルトは小反落。動いているCMEのナスダック100、S&Pは小幅高水準で推移しています。
バイアスもシート通り強い傾向を示していますが、一方で今日の引けで東京市場ではMSCI標準指数の銘柄入れ替えに伴って約970億円の売り需要が見込まれています。
MSCI指数における日本株の割合は8.81%から8.72%に低下します。
全体圧力は、約970億円規模の予定。
また、自民・公明が週内にも内閣不信任案提出した場合、小沢氏が同調する姿勢を示唆。
月末最終日の31日の需給要因がどちらに振れるか、十分に確認して無理をせず冷静にチャンスを待ちましょう。

関連記事 MSCI、標準指数から日本株20銘柄を削除(新規組み入れなし)

MSCI、標準指数から日本株20銘柄を削除(新規組み入れなし)

MSCI、標準指数から日本株20銘柄を削除。
削除銘柄は以下の通り。新規組み入れはありません。

【削除銘柄】
キャノンMJ(8060)、DOWA(5714)、フジHD(4676)、阪急阪神(9042)、伊藤園(2593)、松井(8628)、三井金(5706)、ミツミ(6767)、日産化(4021)、日清紡HD(3105)、オービック(4684)、札幌北洋HD(8328)、サッポロHD(2501)、池田泉州HD(8714)、七十七(8341)、新光電工(6967)、トクヤマ(4043)、東京製鉄(5423)、東建物(8804)、ユニー(8270)

GSも中国株の”Over weight”を継続する一方で日本株については”Under weight”へ引き下げたと伝わっています。
中国のインフレ率は顕著なものとなっていますが、近いうちにピークに達する楽観的な見方のようです。

3.11東日本大震災後の日経平均株価

3月11日の大地震発生からもう30営業日以上が経過していますが、下記のチャートのよう地震発生後の翌週に最大の急落相場となった後は急激にリバウンドしています。

しかし1万円の大台回復には至っておらず、原発問題がやはり尾を引いているのかBOX相場が続いております。
むしろさらなる余震や災害を警戒すればもっと下がってもおかしくないはずの状況で、9,000円台を維持していることは逆に驚きでもあります。

2011.03.011-2011.04.25 東日本大震災後の日経平均株価の推移(場中足) 日柄30営業日 
2011.03.011-2011.04.25 東日本大震災後の日経平均株価の推移(場中足) 日柄30営業日 

日経平均が急落するとむしろ利益を出している投資家も多いでしょう。
これだけネットトレーディングが普及している現在、自由に売り仕掛けもできる日経225やFXなどのデリバティブでしっかりリスクヘッジを行う個人投資家も増えてきました。デリバティブの世界では急落する時こそ利益を上がるパターンが多いのです。

むしろ相場が激しく上下するということは、それだけ収益機会が増大するということです。

日経225先物もボタティリティが急回復し、今回の震災で空前の出来高を記録。一時は先物で20万枚を超える日もありました。
リーマンショック時に続き、サーキットブレーカーも発動する非常事態もありましたが、リーマンショック時に大多数の投資家が経験済みであり、至って平穏そのものでした。この原発危機の中にあっても日経平均先物がストップ安になることはありませんでした。
仮にあったとしても、一時的ですぐに取引が再開されるでしょうし、個別銘柄のように連日ストップ安で売るに売れないなんて事態はありません。
それだけ指数先物の流動性の高さを改めて再確認した機会ともいえます。
しかし一方で東電のような個別銘柄であれば、今回のような「想定外」の震災が発生してしまうと、どんなに優良株でも途端に倒産リスクの憂き目にあってしまうものです。

まるで新興株のように、この銘柄がストップ安で張り付くなど本来は考えられないことです。
東電株は震災後、4日連日で寄り付かずストップ安をつけた後、復旧作業に一喜一憂しながらストップ高になったり売られたりを繰り返し、再び下落しています。

2011.03.011-2011.04.25 東日本大震災後の東京電力株(9501)の株価推移(場中足) 30営業日 
2011.03.011-2011.04.25 東日本大震災後の東京電力株(9501)の株価推移(場中足) 30営業日 

まさに仕手株のような動きで完全にマネーゲームの対象となっています。
まるで一時期の新興株のように軽々と上へ下へと張り付いています。
値幅も十分ありますしデイトレには向くかもしれませんが、持ち越しをしないことを前提にしても突発的な事故で場中にストップ安となり、張り付いてしまうこともありえますから、手出しは無用です。

これをただ安いからと資産株として持つなど、お金をどぶに捨てるようなものです。
投資するなら本当に捨ててもよいと思えるくらいでないと手を出すべきではありません。
賢明な投資家ならもっと他に有利な投資戦略があるからです。

結局個別銘柄にはどんなに大企業だろうと安全神話はないということですね。
東電の損害賠償額は未だ算出不能なほど甚大なものでとても一企業の財力で賄えるレベルではありません。
もし100%減資で国有化となれば、当然株主責任ということで紙切れとなる可能性だってあります。

その後の動向はまさに神のみぞ知るの世界です。

その点日経平均を売買するのであれば、少なくとも個別銘柄を売買するよりはリスクコントロールが容易です。

「100年に一度の金融危機」、「1000年に一度の大災害」などと言われていますが、投資の世界で「想定外」は言い訳になりません。
どんな相場でも退場しないリスク管理と常に時代にマッチした投資戦略の確立が肝要です。

今回の震災についても様々なお立場の方から数多くのお便りを頂いております。
被災地の方におかれましては、公共広告で再三聞く言葉でもありますし、すでに精一杯頑張っていらっしゃる方に「頑張ろう」なんておこがましくて言えませんが、どうか「負けないで下さい」。

ユーザー様の中でも被災地へ医師として派遣された方やその他医療チームに参加された方もいらっしゃり、また企業経営者の方はこぞって義援金を拠出されているようですね。本当に頼もしい限りです。私も思いを新たにしました。

中には既に海外に脱出された方(外資系企業の方はご事情やお気持ちよくわかります)、それもこれも個人の自由です。
しかし、人それぞれの立場で異なった支援の方法はあります。
このような人を思う気持ち、この日本人の気質があればきっとこの日本は大丈夫でしょう。

増税などせずとも国債を発行するのも結構。
日本は戦争で一度廃墟になっています。
戦時国債の例を見てもこれだけの大災害であれば許されるはずです。
菅総理が真摯に国民に説明すれば、この国難であればの日本を応援する気持ちと寄付感覚で買う人は多いはずですぐに集まるでしょうし、世界に日本の底力を見せつけることもできるでしょう。
私も真っ先に前回募集に応募し早速購入。ささやかに500万円ほどですが。
重要なのは一人一人の小さな善意だと思います。

景気回復に何よりも必要なのは需要。
ただでさえこの震災で需要が不足しているとき、増税案が浮上していることには驚きです。
消費が必要なときに消費税を増税?
復興のための投資が必要なのに法人税減税を見送り?
耳を疑うことばかりです。
数百年に一度のショックを短期の増税でまかなおうとするこの日本の経済政策はどこに向かってしまうのでしょうか。

とかく減税を主張すればどこに財源があるのかと税を払う立場の一般市民でさえ減税に後ろ向きになり、逆に増税を容認する風潮すらあるのが意外です。
我慢強い日本人の気質や美徳といえる面かもしれませんが、不況期に増税することがどれほどリスクが高いかは歴史が証明しています。
政府には安易な増税を容認する風潮に乗ることなく、どうか幅広く国内外の専門家の意見を求め日本経済にとって最善の策をとってもらいたいものです。
そしてそれを断固たる決意を持って遂行するには、何より強いリーダーが不可欠なのですが、如何せん今の民主党にはそれを望むのはもう無理のようですね。
この非常時に問題が山積する中、この期に及んでまた与野党で政争、足の引っ張り合いを始めています。
これ以上の愚策を続け、歴史上最悪の選択をした政権として後世の教科書に載る事のないよう、切に祈っています。

先日ある外資系ディーラーと話す機会がありましたが、3.11大地震後の数日間の急落相場では同社内で過去最高の成績が続出だったようです。しかし逆に今月は値動きが乏しく特にイースター前などは手控えムード一色のようでしたが。
メリハリはやはり重要です。動かない時は焦らず様子見が一番です。

ルール通りに動きを見極め、深追いをせず冷静にチャンスを待ちましょう。

自粛はほどほどに、ゴールデンウィークの計画でも立てましょう。
景気回復のためにもしっかり消費をすることもまた支援につながると思います。

よいGWをお過ごし下さい。