端株処理による売買停止の影響 日経平均採用銘柄は7銘柄

来月5日の株券電子化に伴い18社の株式が今月12月25日から30日までの間、売買停止となります。
1株に満たない端株をなくすための手続に入るためです。
端株とは株式分割や経営統合などで発生したもの。

年末年始含め実質10日以上売買できなくなるため、指数への影響もあるかもしれません。
18銘柄のうち7銘柄が日経平均株価採用銘柄だからです。

該当するのはみずほや電通、NTTなど。

《売買停止18銘柄》*日経平均採用銘柄
*日本製紙(3893)
*電通(4324)
*りそなHD(8308)
*三井住友FG(8316)
*みずほFG(8411)
*JR東日本(9020)
*NTT(9432)

fonfun(2323)
コカ・コーラセントラルジャパン(2580)
ラウンドワン(4680)
シダックス(4837)
トウアバルブグループ(6466)
京都きもの友禅(7615)
札幌北洋ホールディングス(8328)
八千代銀行(8429)
大和SMBCキャピタル(8458)
原弘産(8894)
インプレスホールディングス(9479)

米ビッグ3はいまだ根本的な問題解決には至っていないようですね。
フォードを除く2社は政府のつなぎ融資で年内はを乗り切りそうなものの、延命措置を施しただけで問題を先送りにしただけのようです。
以前WSJの記事でもあった事前調整型の破綻というシナリオについても米報道官が選択肢の一つとして明言しており、将来的にはやはり破綻の容認を示唆しているように受け取れます。
いずれにしても落としどころはうすうすながら分かってきたような気がしますね。

もう今年もあと残すところ10日。
例年この時期は商いが低迷します。
日本の株式市場といっても半分以上が外国人の売買によって成り立っているわけですので彼らが休暇入りするクリスマスシーズンはどうしても売買は細ります。
今回の端株処理も相俟って更に商いは閑散とする見込みでしょう。
「閑散に売りなし」といいますが、先物は盆休みシーズンにもよく見受けられるように需給に関係なく仕掛け的な売買が横行することがありますので注意を要します。
これは大口の個人トレーダーが台頭し日経225先物が人気化してきた近年の傾向ですね。

citi(米シティグループ)救済策 

米シティグループ救済策の発表。米国時間23日深夜という異例の発表でしたが、これで金融不安は一旦落ち着くだろうという見方が広がっています。日本は連休中でもあり、滞在先でこの報を聞きましたがひとまず金融パニック再発の危機は脱したという印象ですね。
もしあのままですとリーマンショック再来となるところでしたから。
日本時間では金曜の昼にはある程度目処がついていましたので仕込んでいた方は大喜びなのではないでしょうか。金曜に買いを入れた投資家は限定的な下落リスクのもと、逆張りでまさに正当な対価を得たのだといえます。

政府発表の骨子は以下の通り。

・200億ドル追加資本注入(10月に250億ドル注入済み)
・3060億ドルの不良資産については事実上の政府保証
290億ドルは独自処理しますがその後の損失はシティ10%、政府90%の負担
ただし条件として以下の通りとするようです。

・役員報酬の抑制
・配当の制限(普通株は実質無配)

いずれにしてもこれはかなり大きな規模ですね。
このスキームの通り実施されたら相当な大金を使うことになります。むしろ財政の方が心配。
当初の7000億ドルという枠ではとてもではありませんが足りない状況になってきていますのでそれより拡大する可能性は極めて高そうです。
元来米国の財政赤字は1兆ドルは軽く超える流れになってきていますのでこれがさらに拡大する方向になるのは必至の状況。
金融システムの方は一旦安心感が出るとしても、財政の方は大丈夫でしょうか。

とはいえ、これを受けて昨日のダウはしっかり。
改めてシティグループ救済を好感した格好で大幅高で取引を終了しています。

Citigroup Inc (NY)

24/11/2008 5.95USD +2.08/+53.75%

シティは9月の金融危機のときでさえ20ドル以上の株価を維持していましたがここにきてわずか1桁まで落ち込んでいたところでした。
経営不安から先週シティの株価は破綻を織り込む水準まで急落していただけに、今回の政府の救済策はひとまず功を奏した形といえそうです。

あとは来月まで先延ばしになっているGM(ゼネラル・モーターズ)救済策がどうなるかですね。

日経平均株価バブル後最安値更新 メガバンクの増資観測とストップ安

日経平均株価がついにバブル後の最安値を更新。

日経平均株価 7,162.90円 (-486.18) 15:00
日経平均先物 7,160円 (-460) 15:10

日本発の株安でないのにも関わらず今月に入ってからの下落率は先進国で最大。
9月末と比較すると、日経平均下落率は31.8%で米国株や欧州株の下落率を大きく上回っています。

2008年10月27日日経225先物大証30日間

ここにきて日本の政治家のコメントにようやく緊迫感が出てきたようです。

本日発表された政府の株式への緊急対策は以下二点。
金融庁が空売り規制強化を決定

■11月4日から株の手当がされていない空売り(ネーキッド・ショート・セリング)を禁止
■11月中旬を目途に発行済み株式総数の原則0.25%以上の空売りポジションの保有者に証券会社を通じて取引所へ報告することを義務付け、取引所はこの情報を公表

空売り規制をしていなかった日本がようやく重い腰を上げたようですが相変わらずタイミングが悪いようです。正直いまさらという印象。
電光石火、果断速攻と呼ぶにふさわしい政治家はどうやら日本にはいないようです。
これでは支持率低迷はいうに及ばずといったところでしょう。
どうもピントがずれていますね。
はたして実効性あるのでしょうか。空売り対策も必要だとして、それ以上に海外ファンドによる換金売り、実弾売りが止まらない現状をどう切り抜けるか明確なビジョンは見えません。
空売り規制もなぜ11/4なんでしょうか。
即日実施でないというところはKY政治とのそしりを免れません。

しかしこの発表とは裏腹に本日下げている実際の理由は売りヘッジの需給面もそうですが、何よりも昨日報道の某メガバンクの増資観測でしょう。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が最大1兆円の増資を検討というあの報道です。
当然三菱UFJだけでなく増資による希薄化リスクは他行にも広がる恐れがあり、この観測がその他のメガバンクにも波及し銀行株の軒並みストップ安を引き起こしています。

突然のMSCB(*)や増資の発表は個別銘柄の宿命ですが、「まさかあの銀行はつぶれないだろう」と銀行ならば安全と信じられている人気の銘柄でこれが発表されると歴史上決まってパニックが起こります。
*MSCB=moving strike convertible bond (転換社債型新株予約権付社債)

5年前のみずほの1兆円増資はそれほど昔のことではないのでご記憶の方も多いでしょう。
丁度あの頃、日経平均株価はバブル後最安値を、みずほFGは5万円台までの落ち込みを記録しています。当時は多くの企業による増資の引き受け手があった為、危うく国有化される難を逃れ危急を脱しており、その後トレンドが転換した上昇相場ではみずほも100万円を超えるまでに上昇。
一大株式投資ブームが巻き起こりました。
しかし今回の金融危機でも同様に救われる保証はどこにもありません。

日経平均も日経225先物も丁度あの頃に里帰りするように本日寄り付きでついにバブル後最安値更新
遡る事1982年10月以来の安値水準にまで売られています。
一方メガバンク株はいずれも当時よりもまだ高い水準です。

みずほFG(8411)はストップ安で張り付き230,000円 (-40,000円/-14.81%)
三菱東京UFJ(8306)も同じくストップ安となり583円 (-100円/-14.64%)

8411みずほFG 2008年10月27日

8306三菱UFJ 2008年10月27日

これを安いと言っている投資家が多いですが非常に危険です。
むしろ金融株だから危ない」という視点が根付かないのは仕方がないのかもしれません。
実際今回もリターンを狙って安値を拾おうとしている個人投資家も多いことと思います。
しかし、逆に言えばだからこそセリングクライマックスの実感がまだわかないのかもしれませんね。

最近銀行ではここ数日の歴史的な円高を背景に急速に外貨預金の口座開設が増えているようです。
私自身銀行の窓口の様子を見て大変驚きました。
この混雑は月末だからという理由だけではないようです。
行員によれば月末要因だけでなくこの外貨預金口座開設希望者で超満員とのこと。

外貨預金は確か預金保険制度保護対象外だったはずですが。

「まさか銀行がつぶれるわけがない」といったところでしょう。
「もし銀行がつぶれたら」という想定を全くしない前提だからです。
しかし米国ではその「まさか」が立て続けにおきています。
銀行の取り付け騒ぎがもし起こったときの対策マニュアルは今はどうなっているのでしょうね。
取り付け騒ぎ、破綻、ペイオフ発動、預金は1000万円までしか保護されないなどなどちょっと考えればいつ起こってもおかしくないことが決して起こらないものと信じられているのが不思議です。

呑気ではなく逞しいというべきか、はたまた貪欲というべきか。
地域にもよるのでしょうが、まだ楽観的で余裕がある投資家が多いようです。
悲観的な報道や記事とは裏腹に街の人々は現在の相場を一時的なオーバーシュートとして冷静に見守っているという証拠でしょう。
つまりまだまだこのような楽観視する市民や投資家が多い現状では本当の意味の「悲観の中に生まれる上昇相場」は当分先かもしれません。
銀行の窓口が楽観の面持ちで賑わっている限りは。

日経平均が安値更新といっても銀行株の底値は未知数です。
いずれにせよ、当面は1000万円以下に分散し静観がベストかもしれません。

ウォーレンバフェット氏 自分は米国株を買っている “Buy American, Buffett Says. He Is.”

かの米国著名投資家ウォーレンバフェット氏がニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し、自分は米国株を買っているとが明らかに。

Buy American,Buffett Says.He Is.

Buy American, Buffett Says. He Is.

The New York Times  October 17, 2008, 8:07 am

Buy American. I Am.
By WARREN E. BUFFETT

“A simple rule dictates my buying: Be fearful when others are greedy, and be greedy when others are fearful.”
「買うルールは単純。他の投資家が貪欲になっている時に恐れ、皆が恐怖を感じている時に強欲になることだ。」

今「日本を買え」といえるかはまだ疑問ですが、現実に今買えば数年後には2倍になっているとして喜んで買う個人投資家も多いです。
考えることは皆同じですね。

証券会社の口座開設もここにきて増えてきている現状からするとまだ市場は楽観の中にあるのかもしれません。
相場はゼロサムゲームですから、このように多くの投資家が考えている時点ではまだ下落リスクは潜んでおり依然予断を許しません。

相場は昔から「悲観の中に生まれ、懐疑とともに育ち、楽観の中に消えていく」といわれます。

現在の日本の株式市場はどうでしょうか。
上昇相場における楽観ではないですが、報道されている程に悲観もされていません。
どちらかというと懐疑でしょうか。
この相場格言にあてはまるかどうかですね。

短期売買ではあまり関係のないことですが。

随分涼しくなりすっかり秋ですね。
体調にはくれぐれもご注意下さい。

日米バブルの因果~本日麻生内閣発足

日本ではバブル崩壊の後始末に十数年の時間を費やし、その間何人も首相が変わりましたが、無策が続き遅々として処理は進みませんでした。
当時業界4位の山一証券が破綻(1997年自主廃業)してようやく皆の目が覚めたのはほんの10年前。
その後日本では金融不安の風が吹き荒れ拓銀、長銀、日債銀までも破綻。
誰もが潰れないと信じてきた大手銀行も相次いで経営危機に陥り血税である公的資金が投入されていきました。
バブルの事後処理にしてはあまりにも遅く傷口も広がりました。失われた10年、15年とはよくいったものです。
一昨年メガバンクをはじめとした各銀行はこれらの借金を完済。真っ先に返済したのが三菱東京ですがその日本の金融機関が今度は米国の金融機関を救うという構図。

この数日の間に日本の金融機関による米国金融機関への買収や出資が相次いでいます。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が米モルガン・スタンレーに最大9000億円野村ホールディングス(8604)は経営破綻した米リーマン・ブラザーズのアジア部門に238億円三井住友フィナンシャルグループ(8316)は米ゴールドマン・サックスに数千億円(*その後バフェット氏の出資により三井住友への要請を見送り)。この一両日だけでも相次ぎ明らかになった日本企業による出資・買収総額は1兆円を超える勢い。

このたびの一連の金融不安が山一と同じ業界4位のリーマン破綻に端を発しているだけに何かの因果を感じずにはいられません。

本日臨時国会が召集され、午後の衆院本会議で22日に自民党新総裁に選出された麻生太郎氏を首相に指名。
現在は衆参ねじれ国会ですので当然参院では小沢民主党代表が選出されましたが、「内閣総理大臣の指名」はいわゆる「衆議院の優越」の対象。
憲法67条の規定により衆議院の指名が優先され、麻生自民党新総裁が第92代、59人目の内閣総理大臣に選出されました。
官房長官ではなく麻生新総理自ら発表する閣僚名簿にも大きなサプライズはなく、郵政改革反対だった中曽根氏起用や財務大臣への中川氏起用・金融担当との兼任に賛否両論ありながらも、マーケットにおけるインパクトは少なく、米国発の一連の金融不安の陰にすっかり隠れてしまっています。
政策買い」を旨とする海外資金はあまり期待できなさそうですね。

本日の日経平均は小幅続伸。グローベックスの堅調な推移から、短期筋によるショートカバーが加速した格好ですが、とてもご祝儀相場といえるものではありませんでした。
小泉元総理の劇場型の政治とその改革への国民の期待はすっかりなりをひそめている現状。
予定調和的に誕生した安倍~福田~麻生ラインからは日本経済に対する明確なビジョンが見えてこないのが非常に残念でなりません。

福田内閣改造 幹事長に麻生氏起用も

昨年9月の総裁選での対抗馬ながら、予定調和的に福田内閣が誕生した経緯からこれも順送り人事の一環のように見えてしまいます。
麻生氏の人気を活用し支持率アップを狙う公算でしょうが、はたしてうまくいくでしょうか。

どうも白けているこのムードは国民や海外の投資家からも見透かされているようで当然マーケットにおけるインパクトは乏しく、いくつか細かい報道あるもどれも反応なし。
日経平均は反落しています。

ミニTOPIXスタート

東証が6/16からTOPIX(東証株価指数)先物取引ミニ取引をスタート。
新たに開始するのはTOPIX先物取引、東証REIT指数先物取引、そしてTOPIX CORE30先物取引のミニ取引。

大証が一昨年より始めた日経225先物ミニのトピックス版といえます。
日経225ミニと同じく現在あるラージサイズのTOPIX先物をダウンサイジングしたもので証拠金、取引単位が10分の1となるものです。
TOPIXミニ先物の呼値は0.25ポイントで1ティック1枚で250円、証拠金はSPANにより数万程度となる見込み。
取引時間は9:00~11:00、12:30~15:10と現状のラージと同じですが、日経225のような夕場は当面はないようです(※平成20年6月よりイブニングセッションが導入される予定)。
取引限月はミニTOPIX先物が3限月の取引期間9ヶ月であり、ラージの5限月、期間1年3ヶ月とやや異なります。

TOPIX先物はこれまで大手機関投資家を中心に取引されていたものの個人投資家には取扱証券会社も少なく(※現在はひまわり証券やカブドットコム証券など)、あまり普及しておらず敷居も高かったのですが、ミニの登場により大証の日経225同様、個人投資家も取引しやすくなります。
特に今まで個人では困難だった225とTOPIXの裁定取引(アービトラージ)NTスプレッドを利用した取引も端数をミニであわせることができるため利便性が一層高まりそうですね。
現在これらを組み込んだシステムも構築検証中です。
すでに現行版でもTOPIXを利用した手法を組み込んでおりご好評をいただいておりますが、今回のミニトピックス登場によってより利用の幅が広がりそうですね。

米国緊急景気対策の報

下げ方が急ピッチですね。
2~3ヶ月くらいずるずる下げる見方がある中、先物の大口筋も早めに買いを仕掛けたくなるところでしょうが。
一昨年の急落時も急速な下げからかえってリバウンドするとき急速だったことが印象的でした。

ロイターによれば米国大統領が景気対策発表するとの由。
ただ、事前に漏れているにしてはあまり反応してませんね。

安部首相辞意表明で乱高下

安部首相が突然の辞意表明
12時50分頃のTBS発の首相辞意表明を受け日経平均は突如として急騰。
前場から膠着し下落基調だったもののこの報道で一気に16,000円を回復。
ザラバ中にかのような直角型のチャートを形成するのは以前場中発表されていた機械受注や日銀の利上げ以来ですね。

このたびの辞任劇、外国から見れば奇異に見えるでしょうね。
周囲では「やっとか」という声と「なぜ?」という声さまざまです。

数日前APECでの首相発言の際、私が覚えた危惧は思いのほか早い段階で形に表れてしまいました。

でもこのタイミングで辞めるというのはあまりに一国の首相としては無計画的すぎます。相当アメリカからの圧力があったのでしょう。
精神的に追い詰められると誰もこうなってしまうのでしょうか。
一国の首相さえ…。
大変なのは閣僚の認証を行う天皇陛下ですね。

世間で言われている党首会談を拒否された云々は、小事なれど、
さしずめ最後の藁一本が駱駝の背を折る韓非子の故事のようです。

今日の日経平均は結局乱高下しながらも下落に転じその後も大引けにかけては下げ幅を拡大。
14時の正式発表後も軟調に推移。
政治的空白が生じる上、今後の政局不安は避けられず終わってみればやはり下落して引けています。
よくいう経済イベントの解釈がいかに曖昧であることがわかりますね。

米国の利下げを期待する市場のコンセンサスも同じです。
各イベントなどに便乗する際は注意したいものですね。

利下げが見込まれている来る次期FOMCは今月18日です。