citi(米シティグループ)救済策 

米シティグループ救済策の発表。米国時間23日深夜という異例の発表でしたが、これで金融不安は一旦落ち着くだろうという見方が広がっています。日本は連休中でもあり、滞在先でこの報を聞きましたがひとまず金融パニック再発の危機は脱したという印象ですね。
もしあのままですとリーマンショック再来となるところでしたから。
日本時間では金曜の昼にはある程度目処がついていましたので仕込んでいた方は大喜びなのではないでしょうか。金曜に買いを入れた投資家は限定的な下落リスクのもと、逆張りでまさに正当な対価を得たのだといえます。

政府発表の骨子は以下の通り。

・200億ドル追加資本注入(10月に250億ドル注入済み)
・3060億ドルの不良資産については事実上の政府保証
290億ドルは独自処理しますがその後の損失はシティ10%、政府90%の負担
ただし条件として以下の通りとするようです。

・役員報酬の抑制
・配当の制限(普通株は実質無配)

いずれにしてもこれはかなり大きな規模ですね。
このスキームの通り実施されたら相当な大金を使うことになります。むしろ財政の方が心配。
当初の7000億ドルという枠ではとてもではありませんが足りない状況になってきていますのでそれより拡大する可能性は極めて高そうです。
元来米国の財政赤字は1兆ドルは軽く超える流れになってきていますのでこれがさらに拡大する方向になるのは必至の状況。
金融システムの方は一旦安心感が出るとしても、財政の方は大丈夫でしょうか。

とはいえ、これを受けて昨日のダウはしっかり。
改めてシティグループ救済を好感した格好で大幅高で取引を終了しています。

Citigroup Inc (NY)

24/11/2008 5.95USD +2.08/+53.75%

シティは9月の金融危機のときでさえ20ドル以上の株価を維持していましたがここにきてわずか1桁まで落ち込んでいたところでした。
経営不安から先週シティの株価は破綻を織り込む水準まで急落していただけに、今回の政府の救済策はひとまず功を奏した形といえそうです。

あとは来月まで先延ばしになっているGM(ゼネラル・モーターズ)救済策がどうなるかですね。

金運神社

未曾有の乱高下を繰り返している日経平均株価ですが、先行きは依然不透明のまま。
昨日発表の三菱UFJ(8306)でようやくメガバンクの四半期決算が出揃いましたが、どこも株安と取引先の破綻の処理などで大幅減益。
9月の金融危機の際には傷が浅いとされていましたが、そんな楽観論もすっかり消え去っているようです。
日経平均は10月の最安値から公的資金の介入もあり一時は9,500円台までのリバウンドを見せますがその後は続かず再び下値模索の展開に。それでもなお底堅い印象ですが、意図的に買い支えている資金がはたしていつまで続くのか一様に疑心暗鬼といったところでしょう。
相場はいつでも開いており、無理をせず休むのも相場ですね。

8.5km~奥宮入口金運神社 奥宮

久しぶりに金運神社へ参拝。
かつてネット上でも話題になりましたのでご存知の方も多いことでしょう。
ことの始まりは船井総研の船井幸雄氏がその著書の中で「お金に困りたくなかったら富士山のこの神社に行くと良い」と指摘されたことから。
ここでいう金運神社と呼ばれる神社は2つあり、富士山麓2合目(富士吉田)と石川県白山市の某所に静かに祀られています。
もともと私自身信心深い方なのでこのような話は大好きです。
毎年のお礼参りの一環として参拝しています。
人は常に感謝の気持ちを忘れないようにしなければなりません。

中の茶屋~金運神社(富士山麓)

写真は例の「中の茶屋」から「奥宮」に通じる8.5kmの道中に垣間見た富士山。

既に富士山麓は高度にもよりますが、紅葉の見頃もそのピークをすぎ、枯葉が舞い散る中、すっかり冬の到来を感じさせます。

白山の方はいつでも行けますが、富士山麓の神社は山奥にあるため、例年冬季は神社へ通じる林道が封鎖され通行できなくなります。
今年は11月末まで通行可能なようですので今年中に参拝される方はお早めに。

日経平均株価バブル後最安値更新 メガバンクの増資観測とストップ安

日経平均株価がついにバブル後の最安値を更新。

日経平均株価 7,162.90円 (-486.18) 15:00
日経平均先物 7,160円 (-460) 15:10

日本発の株安でないのにも関わらず今月に入ってからの下落率は先進国で最大。
9月末と比較すると、日経平均下落率は31.8%で米国株や欧州株の下落率を大きく上回っています。

2008年10月27日日経225先物大証30日間

ここにきて日本の政治家のコメントにようやく緊迫感が出てきたようです。

本日発表された政府の株式への緊急対策は以下二点。
金融庁が空売り規制強化を決定

■11月4日から株の手当がされていない空売り(ネーキッド・ショート・セリング)を禁止
■11月中旬を目途に発行済み株式総数の原則0.25%以上の空売りポジションの保有者に証券会社を通じて取引所へ報告することを義務付け、取引所はこの情報を公表

空売り規制をしていなかった日本がようやく重い腰を上げたようですが相変わらずタイミングが悪いようです。正直いまさらという印象。
電光石火、果断速攻と呼ぶにふさわしい政治家はどうやら日本にはいないようです。
これでは支持率低迷はいうに及ばずといったところでしょう。
どうもピントがずれていますね。
はたして実効性あるのでしょうか。空売り対策も必要だとして、それ以上に海外ファンドによる換金売り、実弾売りが止まらない現状をどう切り抜けるか明確なビジョンは見えません。
空売り規制もなぜ11/4なんでしょうか。
即日実施でないというところはKY政治とのそしりを免れません。

しかしこの発表とは裏腹に本日下げている実際の理由は売りヘッジの需給面もそうですが、何よりも昨日報道の某メガバンクの増資観測でしょう。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が最大1兆円の増資を検討というあの報道です。
当然三菱UFJだけでなく増資による希薄化リスクは他行にも広がる恐れがあり、この観測がその他のメガバンクにも波及し銀行株の軒並みストップ安を引き起こしています。

突然のMSCB(*)や増資の発表は個別銘柄の宿命ですが、「まさかあの銀行はつぶれないだろう」と銀行ならば安全と信じられている人気の銘柄でこれが発表されると歴史上決まってパニックが起こります。
*MSCB=moving strike convertible bond (転換社債型新株予約権付社債)

5年前のみずほの1兆円増資はそれほど昔のことではないのでご記憶の方も多いでしょう。
丁度あの頃、日経平均株価はバブル後最安値を、みずほFGは5万円台までの落ち込みを記録しています。当時は多くの企業による増資の引き受け手があった為、危うく国有化される難を逃れ危急を脱しており、その後トレンドが転換した上昇相場ではみずほも100万円を超えるまでに上昇。
一大株式投資ブームが巻き起こりました。
しかし今回の金融危機でも同様に救われる保証はどこにもありません。

日経平均も日経225先物も丁度あの頃に里帰りするように本日寄り付きでついにバブル後最安値更新
遡る事1982年10月以来の安値水準にまで売られています。
一方メガバンク株はいずれも当時よりもまだ高い水準です。

みずほFG(8411)はストップ安で張り付き230,000円 (-40,000円/-14.81%)
三菱東京UFJ(8306)も同じくストップ安となり583円 (-100円/-14.64%)

8411みずほFG 2008年10月27日

8306三菱UFJ 2008年10月27日

これを安いと言っている投資家が多いですが非常に危険です。
むしろ金融株だから危ない」という視点が根付かないのは仕方がないのかもしれません。
実際今回もリターンを狙って安値を拾おうとしている個人投資家も多いことと思います。
しかし、逆に言えばだからこそセリングクライマックスの実感がまだわかないのかもしれませんね。

最近銀行ではここ数日の歴史的な円高を背景に急速に外貨預金の口座開設が増えているようです。
私自身銀行の窓口の様子を見て大変驚きました。
この混雑は月末だからという理由だけではないようです。
行員によれば月末要因だけでなくこの外貨預金口座開設希望者で超満員とのこと。

外貨預金は確か預金保険制度保護対象外だったはずですが。

「まさか銀行がつぶれるわけがない」といったところでしょう。
「もし銀行がつぶれたら」という想定を全くしない前提だからです。
しかし米国ではその「まさか」が立て続けにおきています。
銀行の取り付け騒ぎがもし起こったときの対策マニュアルは今はどうなっているのでしょうね。
取り付け騒ぎ、破綻、ペイオフ発動、預金は1000万円までしか保護されないなどなどちょっと考えればいつ起こってもおかしくないことが決して起こらないものと信じられているのが不思議です。

呑気ではなく逞しいというべきか、はたまた貪欲というべきか。
地域にもよるのでしょうが、まだ楽観的で余裕がある投資家が多いようです。
悲観的な報道や記事とは裏腹に街の人々は現在の相場を一時的なオーバーシュートとして冷静に見守っているという証拠でしょう。
つまりまだまだこのような楽観視する市民や投資家が多い現状では本当の意味の「悲観の中に生まれる上昇相場」は当分先かもしれません。
銀行の窓口が楽観の面持ちで賑わっている限りは。

日経平均が安値更新といっても銀行株の底値は未知数です。
いずれにせよ、当面は1000万円以下に分散し静観がベストかもしれません。

ウォーレンバフェット氏 自分は米国株を買っている “Buy American, Buffett Says. He Is.”

かの米国著名投資家ウォーレンバフェット氏がニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し、自分は米国株を買っているとが明らかに。

Buy American,Buffett Says.He Is.

Buy American, Buffett Says. He Is.

The New York Times  October 17, 2008, 8:07 am

Buy American. I Am.
By WARREN E. BUFFETT

“A simple rule dictates my buying: Be fearful when others are greedy, and be greedy when others are fearful.”
「買うルールは単純。他の投資家が貪欲になっている時に恐れ、皆が恐怖を感じている時に強欲になることだ。」

今「日本を買え」といえるかはまだ疑問ですが、現実に今買えば数年後には2倍になっているとして喜んで買う個人投資家も多いです。
考えることは皆同じですね。

証券会社の口座開設もここにきて増えてきている現状からするとまだ市場は楽観の中にあるのかもしれません。
相場はゼロサムゲームですから、このように多くの投資家が考えている時点ではまだ下落リスクは潜んでおり依然予断を許しません。

相場は昔から「悲観の中に生まれ、懐疑とともに育ち、楽観の中に消えていく」といわれます。

現在の日本の株式市場はどうでしょうか。
上昇相場における楽観ではないですが、報道されている程に悲観もされていません。
どちらかというと懐疑でしょうか。
この相場格言にあてはまるかどうかですね。

短期売買ではあまり関係のないことですが。

随分涼しくなりすっかり秋ですね。
体調にはくれぐれもご注意下さい。

歴史的大暴落~目先反発 日経225に連日のサーキットブレーカー発動

ブラックマンデー以来の大暴落から一転昨日のニューヨーク市場は1993年来過去最大の11.08%の上昇率を記録
史上最大級の暴落から数日後、史上最大の暴騰。
歴史を見ればわかりきっていることを人間は繰り返してしまうもの。
安易なテクニカルや相場観は通用しません。
よくある超大幅な暴落時に見られる追証売りに加え、機関投資家などのやむにやまれぬ売りオーダーが一斉に集まり市場はオーバーシュート。
理屈ではない売りが売りを呼び世界の金融市場で軒並み年初来安値を記録。
本日はその反動で大幅高と金融市場未曾有の急激な値動きが続いております。

この激動の1週間もリスクマネジメントさえしっかり行っていれば全く問題なく、今回の暴落暴騰劇は日経225トレーダーにとって非常に大きなチャンスだったともいえましょう。
もっとも前代未聞・未曾有の暴落だっただけに、ただ何もせずみているだけだった方も多いとのことで結果それが最大の利益につながることも否定できません。
余裕資金の方は冷静沈着に段階的に安値を拾ったり、アービトラージでリスクを限定し裁定を狙うなどいくらでも好機があったことでしょう。
特にNTスプレッドなどは片張りポジションで持ち越しするスペキュレーションに比べてかなりのリスクヘッジができたはずです。
史上最大規模のギャップも恐ろしくありません。

先週金曜日と本日2営業日続けて先物市場は歴史的超大幅ギャップ
注文が殺到し連日にわたり日経225、トピックスともにサーキットブレーカーが発動
個別銘柄ではなく日経225先物など指数先物で発動されたことに事態の深刻さがうかがえます。

サーキットブレーカー2008年10月10日と10月14日の値動き

2営業日連続のサーキットブレーカー発動。
10/10 未曾有の1000円ギャップダウン
寄り付き直後09:08にサーキットブレーカーが発動し先物取引停止。15分後の09:23、8070円で取引再開。
10/14 本日は1310円のギャップアップ
寄り付き09:10と同時にサーキットブレーカーが発動。15分後の09:25、9,290円で取引再開。

2営業日連続のサーキットブレーカー発動

週末開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議において合意された公的資金注入の実施段階で遂に動意づいたことになります。先日の主要中銀による強調利下げが材料視されなかっただけにほっと胸をなでおろした市場関係者も多かったものと思われます。
銀行間取引の政府保証、主要銀行への公的資金注入など世界が国家規模で協調して一連の金融不安の沈静化を図ったことでようやくマーケットが反応。
鍵はやはり公的資金。

公的資金という血税を民間企業に入れることは反感が根強いものがあります。
諸手を挙げて喜ぶべきではないでしょうが、日本のバブル処理の経験を生かし早期に事態を収束させるよう各国政府に期待してやみません。ただ実際は日本が十数年かけてきたものだけに見通しは決して明るいものとはいえません。
日本がこの失われた10年の間、段階的に小出しにしてきた膿を今回は米国中心にドラスティックに切り捨てているだけに、市場に与える傷は大きいかもしれませんが、早期に膿を出し切ることでより早い回復を期待したいところです。

今週は欧米各国の金融機関の決算が続きます。
当面の打開策を見出し市場もこれに応えた格好ですが、これが文字通り目先になるのか、底打ちになるかは誰にもわかりません。

“GET USED TO IT.”

先日のWSJの見出しにありましたが、この一連の値動き、慣れろといわれても慣れるレベルを超えたほどかつてないほどのものでした。しかし、リスクマネジメントと持ち越ししない短期トレーディング、アービトラージでの大局的なディーリングを旨とすれば決して世間で言われるほどに恐ろしい事態ではないと思われます。

世界恐慌。
歴史の教科書の世界だった状況が現実のものとなろうとしていた矢先だけに冷静沈着な行動が依然求められるでしょう。米国の政策にまだ不透明要素があるだけに一抹の懸念を隠しきれません。

日経平均ついに1万円台 セリングクライマックスと騰落レシオ

投売りと戻り期待の押し目買い。

大暴落を好機と為す。

機関投資家のストップロスに加え個人の投売りがもたらす下落スパイラル

恐怖が生む負の連鎖。

経験則上もっとも買いたくないときこそが絶好の買い場。

ただ、本日の相場を見ていて感じたことは過去の大暴落とやや趣を異にするということ。

本日の日経平均株価は実に前日比で465円安と大幅続落。

終日断続的な売りからついに10,500を割って取引を終了。

日経225先物は510円安の10450と指数とともにほぼ安値引けです。

セリングクライマックスとなるには大きな出来高が必要ですが、本日の先物の出来高は18万枚

平時に比べれば大きいものの、特筆する程でもなく、いまひとつパンチが足らないといったところでしょうか。

昨年8/17に大暴落した際は26万枚の大商いだっただけにパニック売りと呼べるか微妙なところです。
相場はいつまでも下げ続けることはなく、必ず底打ちがありますので、買い方の投げが出尽くした後の自律反発を期待し手薬煉を引いている投資家も多いことでしょう。

先日来、騰落レシオ(25日間)は60台に突入

連日の下落により本日ついに25日騰落レシオは63.35を記録

騰落レシオは、市場の過熱感を見る指標の中で最も有名な指標です。

信用評価損率とともに長期投資する上でお馴染みの指標ですね。

「値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数」から算出し%で表します。

特に多く用いられるのが「5日騰落レシオ」や「25日騰落レシオ」です。

5日騰落レシオ=5日間の値上がり銘柄数の合計÷5日間の値下がり銘柄数の合計

25日騰落レシオ=25日間の値上がり銘柄数の合計÷25日間の値下がり銘柄数の合計

5日レシオは短期的な過熱感を、25日レシオは中期的な過熱感を判断する指標とされています。

特に25日騰落レシオは株式情報のテレビ番組において毎日の大引け解説にも出てきます。

これが60%未満になればかなり安い水準といえ、絶好の買い場と判断されます。

また150%超となるとかなりの過熱とされ買いは危険と判断されます。

この経験則によると現在の63%という数値は相当な安値水準にあるといえます。

では60を割るまで待てばいいかといえばこれもなかなか難しく、60%割れや150%超というのは過去数年に一度しか発生しておりません150%超というのは、1998/2/12まで遡らないと記録がない程の稀な現象といえます。

この数日間、大幅下落する中で注目される騰落レシオ60%割れというのは2000年以降でたった1度しかありません

2001年9月12日 9610.10 -682.85

そう、いわゆる「9.11事件」、米国同時多発テロのあった日の翌日です。

その後の推移としては、暴落直後に底打ちはせず、数日後の9/21に9,382円の安値をつけた後トレンドが反転しています。

このとき総悲観の大暴落から更に200円以上も下げた後にようやくの底打ちだったわけです。

もっともこの騰落レシオによる逆張りも当然絶対ではありません。

今回過去の大暴落と違う雰囲気が漂うのはなぜかということです。

このままの事態が推移すれば近く反発も期待できそうですが、仮に底打ちしても一時的な戻りと割り切って波に乗る必要があります。

20010912同時多発テロ

20070817サブプライムショック

9.11事件のときも、昨年のサブプライムショックも底打ちした後には確かにトレンド転換を果たしていますが、それは一時的なものに止まりその後の日経平均株価は周知の通り、2002年から2003年にかけて高度経済成長期以降の歴史上では未曾有の安値である7000台に突入。昨年のサブプライムショック後の反転もわずか底打ちから3ヶ月ほどで再び安値を更新しているからです。

今回の暴落も先の2例と同じく米国発によるもの。

この局面を打開するためには国家レベルでの対策が必要でしょう。

麻生太郎首相は本日午後の衆院予算委員会において公明党北側幹事長の質問に対する追加経済対策についての答弁中、日経平均株価の10,500割れについて言及。

「こういった状態はかなりの事態になってきている。然るべきことが必要と判断するのであれば、それなりの対応は当然のこととしてさせていただく」と述べています。

選挙のことで頭がいっぱいでしょうが、「かなりの事態」という言葉の是非はともかくとしても、早期かつ具体的な対策が期待されるところです。

現在の安値水準、少しずつ打診買いを試したいところですね。

駄目ならもちろん即時ロスカットで問題なし。

ファンドや比較的大きな資金を保有している投資家などは今の相場を好機と見ているに違いないでしょうが、考えることは同じで、どこまで戻りを期待できるか見通しはかなり不透明ですので今回ばかりは慎重な判断が求められそうです。

ただ勝つのはいつも誰も買いたくないと思える時に行動に出た投資家だけだというのは歴史が証明しているところですが。

日米バブルの因果~本日麻生内閣発足

日本ではバブル崩壊の後始末に十数年の時間を費やし、その間何人も首相が変わりましたが、無策が続き遅々として処理は進みませんでした。
当時業界4位の山一証券が破綻(1997年自主廃業)してようやく皆の目が覚めたのはほんの10年前。
その後日本では金融不安の風が吹き荒れ拓銀、長銀、日債銀までも破綻。
誰もが潰れないと信じてきた大手銀行も相次いで経営危機に陥り血税である公的資金が投入されていきました。
バブルの事後処理にしてはあまりにも遅く傷口も広がりました。失われた10年、15年とはよくいったものです。
一昨年メガバンクをはじめとした各銀行はこれらの借金を完済。真っ先に返済したのが三菱東京ですがその日本の金融機関が今度は米国の金融機関を救うという構図。

この数日の間に日本の金融機関による米国金融機関への買収や出資が相次いでいます。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が米モルガン・スタンレーに最大9000億円野村ホールディングス(8604)は経営破綻した米リーマン・ブラザーズのアジア部門に238億円三井住友フィナンシャルグループ(8316)は米ゴールドマン・サックスに数千億円(*その後バフェット氏の出資により三井住友への要請を見送り)。この一両日だけでも相次ぎ明らかになった日本企業による出資・買収総額は1兆円を超える勢い。

このたびの一連の金融不安が山一と同じ業界4位のリーマン破綻に端を発しているだけに何かの因果を感じずにはいられません。

本日臨時国会が召集され、午後の衆院本会議で22日に自民党新総裁に選出された麻生太郎氏を首相に指名。
現在は衆参ねじれ国会ですので当然参院では小沢民主党代表が選出されましたが、「内閣総理大臣の指名」はいわゆる「衆議院の優越」の対象。
憲法67条の規定により衆議院の指名が優先され、麻生自民党新総裁が第92代、59人目の内閣総理大臣に選出されました。
官房長官ではなく麻生新総理自ら発表する閣僚名簿にも大きなサプライズはなく、郵政改革反対だった中曽根氏起用や財務大臣への中川氏起用・金融担当との兼任に賛否両論ありながらも、マーケットにおけるインパクトは少なく、米国発の一連の金融不安の陰にすっかり隠れてしまっています。
政策買い」を旨とする海外資金はあまり期待できなさそうですね。

本日の日経平均は小幅続伸。グローベックスの堅調な推移から、短期筋によるショートカバーが加速した格好ですが、とてもご祝儀相場といえるものではありませんでした。
小泉元総理の劇場型の政治とその改革への国民の期待はすっかりなりをひそめている現状。
予定調和的に誕生した安倍~福田~麻生ラインからは日本経済に対する明確なビジョンが見えてこないのが非常に残念でなりません。

リーマンショックの影で

米国証券4位のリーマン・ブラザーズ連邦破産法11条の適用を裁判所に申請すると発表。
これを受けNYダウは300ドルを超える下げで始まり、引けは504ドル安と急反落しています。
CMEは11730と3月の年初来安値水準(11610)に肉薄。先刻日経平均先物がようやく寄り付いたのは9:04。始値は11570とこれをあっさり下抜けています。

政府系住宅公社は救済したとしても、リーマンのような民間の企業に関しては厳しいという、国税の再配分を託された政府としてはフェアな措置と言えます。
リーマン破綻は「自業自得」、税金の無駄遣いをしない今回の措置は正解という見方が大勢です。
メリルリンチはバンカメが救済、AIGも救済される方向で進んでいる模様ですが、つなぎ融資申請結果如何では数日すらもたない可能性もありまだまだわかりません。
かつてブラックマンデー9.11事件による暴落も3日ほどの間に一時的な反発をしていますが今回はどうでしょう。

このリーマンショックにより最大のエクスポージャーとなったのは500億円近くの焦げ付きを出すと予想されているあおぞら銀行。次いでみずほコーポレート銀行や新生銀行などが続きます。メガバンクである三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行も多分に漏れず予断を許さない状況。

TOPIX、とりわけ銀行株の動向には特に注目です。
先日の任天堂決算といい今回のリーマンブラザーズ証券の破綻といい、実にインパクトのある材料を市場に提供してくれています。
本日のようなショック安の日には、デイトレの朝のシステムはもちろん、裁定取引戦略をされる方にとってもまさに大きな金塊をみつけたような心境かもしれませんね。リーマンショックの影で粛々と・・・。
投資戦略というのはまさにかかる事態にこそ磐石であることが求められ、それが真のリスクマネジメントといえましょう。

損切り下手と勝ち組

マーケットにおける勝敗をニ分する損切り=ロスカットですがどんな売買シグナルや戦略よりも重要なものです。

トレードを開始する前に予め損切りするポイントを決めておき、機械的にこれに遂行できるなら何の問題もありません。
ただ人間とは難しい生き物でなまじ高等生物であるがうゆえのサガといいましょうか、難しいことを色々と考えてしまうものですね。
NYダウ平均やS&P500で猿にトレードさせてもプロと同等かそれ以上の成績を残すのではないかという話がありますが、案外、正鵠を射た比喩かもしれません。
貴方が飼われている忠実な愛犬の方がスーパートレーダーの素質があるのかもしれません。

しかしトレードを始めたばかりのトレーダーは損切りが重要だということは理解できても、実際にその局面になると実行する勇気が出ないのです。

「もう少し待てば反転するのでは?」

少しでもマイナスになったらすぐに損切りしようと意気込んだものの、いざ含み損を抱えると、
「どうせすぐに戻るだろうからトントンになってから売ろう」
と勝手に長期投資にスタンス変更。

逆に利益がでた場合は、
「すぐにマイナスになってしまうかもしれない」
と小利で決済。

昔から人間はそうなのでしょうか。

もうすぐ終戦記念日です。
いつの時代も人間は立場を違えども同じことを繰り返しているように思います。

戦時中の大本営発表もそうですが、臭い物には蓋をし、原爆で絶望の業火に見舞われてようやく終戦を迎えたように。

負けはイヤだと塩漬けにし、とどめの大暴落でようやくロスカット。
なんだか似ていますね。

本質的に人間はそうなのかもしれません。

ただこのような思考回路ではとてもシンプルに機械的に判断なんて、できるはずはありません。
負けを認めたくないがために、掲示板やマーケット情報を徘徊し現状を正当化する様々な理由を探し、少しでも有利な情報があればそれを拠りどころに損切りを躊躇してしまう。
そのうち株価は更に下落し、もはや手の施しようがない状態に。
どうしようもない状況まで追い込まれてからようやく絶望的な思いで手仕舞ってみるや、一転して反転上昇。

このような思考停止状態では結果、大底で投げる羽目になってしまうものです。

笑えない話ですが、相場から退場するパターンの大半がこのケースでしょう。

チャートでたびたび形成するこの大底局面を世に言うセリングクライマックスといいますが、このような投資家の悲喜交々が織り成す相場現象は現在も尚、度々起こります。

だからこそ通じる戦略もあるのですが、まず精神的なものを克服しておかないとこの世界では生き残ることは難しいと思います。

トレード手法以前の問題として、損切り上手であることが前提です。

「裁量では損切りを徹底すること」
「裁量で駄目ならシステムトレードで強制的にロスカットすればOK」

一般によく言われていることです。
はい、その通り。

本来はそれで話は終了です。
これを鉄の意志で実行できる者が勝ち組になることができ、できない者が負け組となる。
それがゼロサムゲーム

ただこれではあまりにも身も蓋もありませんね。
それが実は真理なのですが、世の中すべての方が強固な精神力をもちあわせているわけではないでしょう。

裁量では実際に注文をクリックする手が動かなければ意味がありませんし、システムトレードも一度大きなドローダウンがあるとその後も盲目的に信じて継続できるでしょうか。

損切り下手と勝ち組?

次期リリース版はまさに損切りの重要性は十分に理解しつつもどうしてもロスカットに躊躇したり、突発的に大きな値動きがあると動揺してしまうという方でも勝ち組になることが可能であるように異なったアプローチができればいいですね。

COMING SOON

先物はレバレッジが利く分ハイリスクですが、やり方によっては限りなくリスクを抑えて行う方法は確かに存在します。誤解を恐れず申し上げれば証券会社自己部門などは事実上ノーリスクで行っているはずです。
今回リリース予定の戦略は一般個人投資家にとって資金面や投資環境などの理由から参加や実践が事実上困難だった為、あえて触れずにきましたが、昨今の個人投資家のためのトレード環境が非常に充実してきている実情に鑑みるとそうも言ってられなくなってきました。
特に、TOPIXミニ上場に伴い、たとえば彼らの専売特許であるデリバティブの裁定取引も個人参加の可能性が見えてきました。

一部の機関投資家や証券自己、ヘッジファンドではこの手法のプログラムが組まれ実践されており、完全なるプロの独壇場だったものですが、まさに日経平均で楽しく安全に資産運用できるものとして次期リニューアル版への掲載に踏み切ります。

多忙でありながら比較的余裕資金が豊富な方などにはうってつけのものとなるでしょう。

まさにデイトレから裁定取引までプロフェッショナル戦略を余すことなく網羅しローリスクハイリターンの真髄と極意を形にできればと思っております。

近日リリース予定(今月中)

基本的に現行版のご購入者様より優先してご提供します。現行版の更新ファイルとしての扱いとなります。
既に更新ファイルをご申請済みの方はお申し込み不要です。

新規にお求めの際はアクセスコード発行に際し、大変な混雑が予想されますので予約制とさせて頂きます。
ご新規の際のご提供スキームは改めて公表させて頂きます。