スマトラ島沖地震のその後と東日本大震災

3.11大地震発生からもう1ヶ月半が経ちました。
相場の日柄としては30営業日でもあり節目のひとつでもあります。
未だ避難生活を余儀なくされている被災地の方々のご心境は察するに余りあります。

昭和三陸地震を経験し今回の東日本大震災でも被災されたある男性が救出されたシーンが強く印象に残っています。
カメラに向かって「また再建しましょう」と元気におっしゃっていた姿には本当に勇気付けられる思いです。
普通では2度も家を失ってこんな言葉、なかなか言えない筈です。

新年度の春を迎え過ごしやすい陽気につつまれながらも節電や自粛ムードが日本経済を停滞させています。
地震に関する報道も徐々に落ち着いてきており、度重なる余震にも慣れてきた頃ですが、そうなると余計に懸念されるのはスマトラ島沖地震のような巨大余震の発生です。
未だ収束していない原発を見ていてもまだまだ予断を許さない状況に変わりありません。

スマトラ島沖地震(2004年12月26日)は歴代2位の巨大地震でM9.1とされていますが、それに匹敵するM8.6クラスの地震が再び3ヶ月後に起こっています(2005年3月28日)。
余震がかなり収まり、規模も小さくなってきたと人々が安堵し始めた矢先のことで、しかも本震に匹敵する大きさだったこともあり、被害も甚大でした。

今の日本に仮に当てはめてみれば6月頃になりますが、一般市民の認識からすれば丁度気が緩み始め油断しそうな時期でもあり、市場センチメントも楽観が支配する頃かもしれません。
当然その頃までに原発問題が収束しているはずもありませんが慣れというのは恐ろしいものです。
注水作業や汚染水除去作業も一進一退を繰り返す現状で、再び同じ規模の津波が襲ってきたら、今度は振り出しに戻るだけでは済みそうにありません。

私は地震の専門家ではありませんので、学術的な論評をするつもりは毛頭ありませんが、今回のような大規模地震は本震がもたらしたエネルギーが一部の歪を開放させる一方で、別の場所に蓄積をもたらすことは素人の私でも十分理解できます。
東海大地震のストレスが抜けたという説がある一方、富士山の噴火懸念も浮上しているくらいです。この分野で確実な予知など現在では不可能といわれています。

日本の場合もつい先日の一部報道で1ヶ月内にM8クラスの地震発生の可能性が指摘されたばかり。

※ニュースソースのリンクが切れていたので下記引用させて頂きます。震源域東側でM8級、早ければ1か月内…専門家(読売新聞 4月14日(木)3時15分配信)

東日本大震災の震源域の東側で、マグニチュード(M)8級の巨大地震が発生する可能性が高いとして、複数の研究機関が分析を進めている。

日本海溝の東側で海のプレート(岩板)が引っ張られる力が強くなっているためで、早ければ1か月以内に津波を伴う地震が再来する危険がある。

M9・0の東日本大震災は、押し合っていた海のプレートと陸のプレートの境界面が破壊されて起きた。そのため周辺の地殻にかかる力が変化し、 東日本全体で地震が誘発されている。

京都大防災研究所の遠田准教授(地震地質学)は全地球測位システム(GPS)の測定データから、海のプレート内部で引っ張られる力が強くなっていることを突き止めた。明治三陸地震(1896年)の37年後、昭和三陸地震を起こしたメカニズムと共通しているという。

「今、昭和三陸規模の地震が起きると、仙台市で10メートルの津波が押し寄せる計算になる」と言う。

今回の原発問題の原因は政府と東電の危機意識の甘さにあったことは彼ら自身十分身にしみて認識しているはずですから、今ここで彼らを糾弾しても仕方ありませんし、過ぎた事に何を言っても始まりません。

しかしこれから「起こるかもしれない」ことにはせめて万全を期すべきだと思います。
もはや国や東電の対応がこの程度だと露呈された以上、やはり自らと家族の安全は自分たちで確保するしかありません。
常に最悪の事態を想定して、次善、三善の策を日々練っておく必要があるでしょう。