今回の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は週末だったこともあり、土日をはさんで被害の全容が次第に明らかになってきていることから織り込みは早いことが予想されますが、安易なリバウンド狙いは危険ですし、行うなら極力短期に徹するべきでしょう。
阪神大震災当時と経済状況も異なり簡単に比較するのは早計ですが、阪神大震災では地震直後はあまり大きな急落はなく、次第に被害の深刻さが明らかになってきた翌週明けから大きく急落しています。


本来投資の世界ではまさにこのようなときに買う者が最終的な勝利者たりえるのですが、買い下がりの中長期投資はいくらでも買い下る確固たる信念と余力がある場合にだけ行うべきでしょう。
阪神大震災後の日経平均は今ほど情報の伝達が早くなく、被害の全容が明らかになるまで時間を要していました。
当時はまだ日本がアジア圏で断トツの経済大国であった自負からか各国の支援要請を受け入れることについても慎重になりすぎて政治的に様々な問題が指摘されていましたね。
しかし今回はその教訓が活かされているように思います。
阪神大震災では地震発生直後はあまり動かず週明けに急落し一旦19,000円台から17,000台まで下げた後、大小のリバウンドをこなしながらも7月にかけて14,000円台まで下落し続けました。
その下落幅は5,000円以上とバブル後としてはまさに最悪のものでした。
当時の日本の国力は当然今よりも高かったといえるでしょうが、それでも震災前の水準に戻るまで10ヶ月以上を要しており、安易な復旧需要などで買うのは相当なリスクがあることを銘記しておくべきでしょう。
ただ未曾有の下落に関しては既に2008年のリーマン・ショックを大多数の投資家が経験しています。
当時日経平均株価は12,000円台から6,000円台まで6千円以上も下落幅を拡大した経験をしている現代の我々にとっては、このことは十分想定内のものといえます。中途半端なスイングは大怪我のもとであることは過去の教訓から明らかですので十分お気をつけ下さい。

今朝の日経平均先物は670円GD。
一瞬10,450円まで下げますが、急速なリバウンドが発生。
10,750円まで250円戻したところで反発機運は一瞬で冷めます。
10:02 茨城沖で再び余震で震度5弱を記録。
10,750円の高値付近から一瞬で10,620円まで急落。
その後持ち直しますが、今度は世界中から最も関心を集める原発で爆発。
再び急落します。
11:01 福島第一原発3号機でも水素爆発。
寄り付き直後の安値10,450円に肉薄する10,460まで急落。
安値近辺で下げ渋った後、枝野官房長官の1号機と同様の爆発との発表がなされると次第に切り返し10,600を回復し現在に至っています。
原発の安全宣言を待つまでは余談を許さない状況です。
格納容器は損傷ない模様ですが因果関係は依然として詳細が不明。
政府には正確な情報把握に努めると同時に安全対策に万全を期して頂きたいと切に願います。
リーマン・ショック時は1000円規模のギャップが発生しており、今回はその点でまだ想定内の値動きといえます。
2月14日の取引所のシステム改正もあってかサーキットブレーカーの発動もありませんでした。※東証のTOPIX先物は09:04から15分間、サーキットブレーカーが発動されています。
cf.2008年10月14日 歴史的大暴落~目先反発 日経225に連日のサーキットブレーカー発動
ぜひ国民一丸となってこの危機を乗り越えたいものですね。
私も復興に向けてできる限りのことを行いたいと思っています。
義捐金や募金はまずその一歩です。ユーザーの皆様からもこのたびの震災に関して大変多くのお便りを頂戴しております。
既に義捐金や募金を行ったとの内容もありました。
心強いですね。メールを頂いた方々にはこの場を借りて御礼申し上げます。
戦後の復興を成功させた日本を世界は知っています。
アジア各国が台頭する中、自信を失いつつあった日本。
ここで日本の底力を目いっぱい見せ付けるチャンスでもあります。
政治家各位には不毛な政治闘争は即刻やめていただき、国民の知恵を総動員してこの難局に立ち向かっていきたいものです。