citi(米シティグループ)救済策 

米シティグループ救済策の発表。米国時間23日深夜という異例の発表でしたが、これで金融不安は一旦落ち着くだろうという見方が広がっています。日本は連休中でもあり、滞在先でこの報を聞きましたがひとまず金融パニック再発の危機は脱したという印象ですね。
もしあのままですとリーマンショック再来となるところでしたから。
日本時間では金曜の昼にはある程度目処がついていましたので仕込んでいた方は大喜びなのではないでしょうか。金曜に買いを入れた投資家は限定的な下落リスクのもと、逆張りでまさに正当な対価を得たのだといえます。

政府発表の骨子は以下の通り。

・200億ドル追加資本注入(10月に250億ドル注入済み)
・3060億ドルの不良資産については事実上の政府保証
290億ドルは独自処理しますがその後の損失はシティ10%、政府90%の負担
ただし条件として以下の通りとするようです。

・役員報酬の抑制
・配当の制限(普通株は実質無配)

いずれにしてもこれはかなり大きな規模ですね。
このスキームの通り実施されたら相当な大金を使うことになります。むしろ財政の方が心配。
当初の7000億ドルという枠ではとてもではありませんが足りない状況になってきていますのでそれより拡大する可能性は極めて高そうです。
元来米国の財政赤字は1兆ドルは軽く超える流れになってきていますのでこれがさらに拡大する方向になるのは必至の状況。
金融システムの方は一旦安心感が出るとしても、財政の方は大丈夫でしょうか。

とはいえ、これを受けて昨日のダウはしっかり。
改めてシティグループ救済を好感した格好で大幅高で取引を終了しています。

Citigroup Inc (NY)

24/11/2008 5.95USD +2.08/+53.75%

シティは9月の金融危機のときでさえ20ドル以上の株価を維持していましたがここにきてわずか1桁まで落ち込んでいたところでした。
経営不安から先週シティの株価は破綻を織り込む水準まで急落していただけに、今回の政府の救済策はひとまず功を奏した形といえそうです。

あとは来月まで先延ばしになっているGM(ゼネラル・モーターズ)救済策がどうなるかですね。